アテネの古代アゴラに行ってきた
そもそも
アテネ滞在記2022のスピンオフ。
古代アゴラは、紀元前6世紀頃から政治・経済・文化の中心地として発展したアクロポリスの麓にある公共広場。市場や集会所として機能していた。哲学者ソクラテスをはじめ偉大な哲学者たちや政治家たちが弁論や演説を繰り広げたのもこの場所だった。
広場
紀元前1世紀に建てられたアグリッパのオデイオン(音楽堂)があったとされる場所。
アゴラ北側からの眺め。
2021年に建てられたソクラテスと並ぶ孔子の像。金と政治の臭いがする。
11世紀頃にビザンツ様式で建てられた聖使徒聖堂。20世紀に再建された。
ヘーパイストス神殿
紀元前5世紀に建てられた炎と鍛冶の神ヘーパイストス(ヘファイストス)を祀る神殿。アゴラ西側の高台にある。パルテノン神殿を模範にしたとされ、酷似している。
短辺6本、長辺13本のドーリア式円柱が屋根を支える。
だるま落としみたいにちょっとズレてる柱がある。
柱の上にあるメトープにはギリシャ神話に登場する英雄ヘラクレスとテーセウスの物語が彫られていた。
ヘーパイストス神殿から見渡すアゴラとアクロポリス。
アッタロスの柱廊
紀元前2世紀にペルガモン王国のアッタロス2世の寄贈によって建てられた建造物。3世紀にゲルマン系のヘルール族によって破壊された。1950年代にかつての姿に忠実に再建され、現在は古代アゴラ博物館となっている。
柱廊に並ぶ彫刻群
柱廊に並ぶ古代ギリシャの彫刻群(紀元前5-2世紀頃)。他の都市では古代ギリシャ時代のオリジナル彫刻を見られる機会は多くないので、これほど多くのオリジナル彫刻を見られるのはかなり贅沢な体験。完全な形で保存されているオリジナル彫刻は皆無。一般に想像される顔も腕もある彫刻のほとんどは、オリジナル彫刻を模範に後世のローマ時代に制作されたローマンコピーと呼ばれる彫刻。
女神ニケ像(紀元前4世紀頃)
柱廊の奥にある展示室
演劇用の仮面 (紀元前4-3世紀)。
調理器具(紀元前6-4世紀頃)
主にオリーブオイルの貯蔵に使われた陶器レキュトス(紀元前5世紀頃)
赤絵式(絵以外を黒く塗りつぶした)陶器(紀元前6-5世紀頃)
陪審員を市民から抽選するための道具クレロテリオン(紀元前2世紀頃)
僭主の出現を防ぐための陶片追放で投票に用いられた陶片(紀元前5世紀頃)
度量衡のための道具(紀元前5-3世紀頃)
左は子供用便器(紀元前7世紀頃)。こんなのもあったのか。
黒絵式(赤い素地に黒色で絵を描いた)陶器(紀元前6世紀頃)
幾何学様式時代後期の副葬品(紀元前750年頃)
幾何学様式時代前期の副葬品(紀元前9世紀頃)
ミケーネ文明の陶器(紀元前15-12世紀頃)。タコの絵柄が素敵。
精巧な彫刻が施された容器(紀元前15世紀頃)
二階柱廊