書く回路とは

書く回路は表現したい意味概念を文字に変換する回路です(→ ATHLINGUAL THEORY)。

ただし実は書く回路と一口にいっても2パターンあり、我々が母語の文字を書くときも、学習初期段階とその後では少し異なる回路を使っています。

人間の音声言語は文字言語に対して優位であることから、我々が母語の文字を書けるようになる初期段階のプロセスは、まず表現したい意味概念を、話す回路を利用して(口に出して、もしくは頭の中で)発音し(意味→音声)、自分で発音したその音声をスペル記憶を用いて文字化(音声→文字)するという順序で行われています(→ 「 読む・書く」より「聞く・話す」)。

つまり初期段階では、書く回路といっても、話す回路を利用して発した内容を文字化しているということです。これは、多くの方がしばしば文章を口に出しながら書くことから納得できます。これがパターン1です。

そして、何度も繰り返し同じ文字を書くようになると、このパターン1の一連の回路が高速化し、音声を介在させなくても意味概念を文字化できるようになります。これがパターン2です。

write1

つまり、もともと意味→音声→文字というプロセス(パターン1)だったのが、文字化処理が高速化することで、最終的に意味→文字のプロセス(パターン2)になるということです。ただし書く回路の場合は、文字化する過程で、スペルや文字の書き方等をある程度記憶している必要があります。

この辺りの話は言語差が大きいため一概に言うのが難しいのですが、自らペンで文字を書く場合は表現したい意味概念を直接文字化できますが、キーボードで打ち込んで書く場合は、「言語によっては」一度音声化する必要がある場合があります。

また、今述べた書く回路は、あくまでもひとまとまりの意味概念を文字化するプロセスについての話であり、文章構成等を含むいわゆる「書く力」は、言語習得とは少し別の話になります。


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