単語帳を使うべきか

語彙学習といえば単語帳という考え方が日本では一般的ですが、実際は単語帳を使わなくても、聞く回路や話す回路などそれぞれの回路を鍛えるトレーニングをする過程で調べながら語彙を習得していくという方法も十分に可能です。

例えば、聞く回路を強化するために動画を見るとして、動画の中で出てきた未知の語彙をその都度調べて習得していくという具合です。このような方法は、語彙がそのまま実際の言語使用の形で出てくるため、語彙を実際の言語使用から独立しない形で学習すべきという観点から、最も実践的なやり方の一つであると言えます。また人間が母語を獲得する過程とも似ています。

一方、実際の言語使用から語彙を習得していく場合、全体像が見えにくいというデメリットがあります。

一方単語帳は、語彙の偏りが少ない、網羅性がある、語彙数をカウントしやすい、全体像を掴みやすい等のメリットがあります。近年の単語帳は頻用度が分析されていたり、豊富な音声データが付いていたりと、学習効果を高めるための様々な工夫が施されており、有用であると言えます。

しかし、実際の言語使用の一部分を切り取って掲載せざるをえないというその性質上、実際の言語使用から大きく独立した形での語彙学習に陥りやすく、誤った意味やイメージが定着してしまうデメリットがあります。

以上のように、単語帳を使う場合と使わない場合のメリット・デメリットを総合的に勘案すると、単語帳を使わないで語彙学習する方がメリットが大きいと考えます。一番の理由は、誤った意味やイメージが一度定着してしまうと、修正するのに労力がかかるため、そのデメリットは中長期的に無視できないほど大きくなるからです。

そのため、短期間の準備期間で特定の試験で高得点を取る必要があるといった場合を除いて、単語帳をメインにした語彙学習はおすすめしません。


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