単語をいくつ習得すべきか

ATHLINGUALでは目標である言語習得を、「頻用語彙およそ1000を聞いて理解でき、かつ自ら用いて話せる状態のこと」であると定義しています(→あなたにとっての言語習得とは)。ここでは、語彙数を頻用語彙およそ1000に設定した理由について説明します。(以下「頻用語彙およそ1000」を「基礎語彙」と呼ぶことがあります。)

どの言語でも、トピックや分野に関係なく頻用される語彙が一定数存在します。例えば、「〜したい」や「〜できる」といった意味を表す動詞や助動詞、「おもしろい」や「難しい」といった意味を表す形容詞などです。ATHLINGUALでは、そのようなトピックや分野に関係なく頻用される語彙、すなわち興味や関心のある分野を問わずすべての学習者にとって必要となる基礎語彙をおよそ1000と考え、目標として設定しました。

逆に言えば、その一定数の語彙以外は特定の分野でのみ頻用される語彙、すなわち必ずしもすべての学習者にとって必要のない語彙ということになり、それらの語彙を満遍なく学習していくことはコストパフォーマンスが極端に下がります。したがっておよそ1000の基礎語彙以外は、それぞれの学習者が自らの興味や関心にそって特定の分野のコンテンツに触れる過程で、その都度調べて身につけていくという形が最も効果的になります。この点については次で詳しく説明します。ちなみに「およそ」としているのは、そもそも語彙の区別や見出し語の数え方には幅があり、また数値はあくまで目安に過ぎないからです。

ATHLINGUALでは、10000の語彙の日本語訳を知っているが正しく理解して使えないという場合に比べて、1000の頻用語彙を正しく理解して流暢に使える場合の方が、言語能力が高いと考えます。

後者の言語能力はいわば、海外生まれ海外育ちだが両親が日本人で家庭では日本語を使ってきたというようないわゆるバイリンガルの言語能力に近いです。また別の例としては、ある言語を10年間学習した成人の学習者とその言語の10歳のネイティヴスピーカーのどちらのほうが言語能力が高いと考えるかという問題だともいえます。もちろんこの問いに対する答えは、何を重視するかによって異なります。

ATHLINGUALでは、音声言語の運用能力を重視するため、後者の方が言語能力が高いと考えるということです。皆さんも一度、母語でも外国語でもいいので、10歳前後の子どもが会話するのを一度意識して聞いてみて考えてみてください。

以上の理由から、ATHLINGUALでは、頻用語彙およそ1000を聞いて理解でき、かつ自ら用いて話せるようになることを目標とすることを推奨しています!


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