読む回路とは

読む回路は見た文字を意味に変換して理解する回路です(→ ATHLINGUAL THEORY)。

ただし実は読む回路と一口にいっても2パターンあり、我々が母語の文字を読むときも、学習初期段階とその後では少し異なる回路を使っています。

人間の音声言語は文字言語に対して優位であることから、我々が母語の文字を読む初期段階のプロセスは、まず文字を(口に出して、もしくは頭の中で)発音し(文字→音声)、自分で発したその音声に対して、聞く回路を利用して意味理解(音声→意味)するという順序で行われています(→ 「 読む・書く」より「聞く・話す」)。

つまり初期段階では、読む回路とは言いつつも、音声を意味に変換して理解する過程で聞く回路を利用しているということです。これは、文章を口に出して読んでみたほうが意味理解がはかどることや、ある文章の真偽を確かめる時に無意識にその文章を何度も口に出して言ってみることから納得できます。これがパターン1です。

そして、何度も繰り返し同じ文字に出会うようになると、このパターン1の一連の回路が高速化し、音声を介在させなくても意味理解できるようになります。これがパターン2です。普段から文章を読む量が多い人ほど読むスピードが速い理由も、この音声の介在が少ないことと、一度により多くの文字をかたまりで捉えて理解できることにあります。

read1

つまり、もともと文字→音声→意味というプロセス(パターン1)だったのが、文字認識処理が高速化することで、最終的に聞く回路を介在させない文字→意味のプロセス(パターン2)になるということです。

パターン1の回路を使って繰り返し読んでいるうちにパターン2へはほとんど自然に移行していきます。 いわゆる音読はパターン1にあたり、黙読はパターン2にあたります。また、いわゆる速読はパターン2の回路を突き詰めたものと言えます。


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