「 読む・書く」より「聞く・話す」

語彙や文法は本来あらゆる言語活動と不可分な関係にあります。そのため、語彙や文法から独立した言語使用はありえませんし、実際の言語使用から独立した語彙や文法もありえません。

そもそも語彙はある言語体系内で実際に使用される語の総体であり、文法は実際の言語使用を言語学者らが分析しそこから抽出したパターンや意味、用法を記述したものの総体です。したがって、語彙や文法を実際の言語使用からあまりに独立した形で学習することは、言語の本質からも外れますし、長期的には必ずしも効果的ではありません。実際の言語使用からあまりに独立した形での学習とは、語彙の場合は見出し語とその日本語訳をただ一対一対応で暗記し、文法の場合は抽象的な理論や文法用語のみを覚えようとし、いずれの場合も実際の言語使用を確認しないようなやり方を指します。

短期的には、高速度で語彙や文法の知識を「覚える」ことができますが、それらの知識のみが独立して問われるのは、ペーパー試験上のみで、真の意味で言語を習得したい学習者にとってメリットはあまりありません。仮に短期的に覚えたそれらの知識を実際の言語使用で使おうとしても、母語と同じ感覚で語彙を使用したり、文法理論を必要以上に適用したりして、不自然で正しくない文を大量に生み出してしまうことになります。

その結果、のちに任意の言語使用に合わせて大幅にチューニングし直す必要性が出てきて、結局余分なコストがかかることになります。また場合によっては、単なる暗記によって間違った認識や癖が染み付いてしまうこともあります。

このように、実際の言語使用からあまりに独立した形での学習は、長期的にはデメリットの方が大きくなります。もし学習者が、ただ単にペーパー試験に合格することのみを目標にしているならば、語彙や文法を独立して覚えるだけでも結果は得られるかもしれませんが、もしその試験の先に言語習得を目指しているならば、そのツケは後々払うことになります。

そのため、ATHLINGUALでは、語彙や文法を、実際の言語使用からあまりに独立した形で分離して学ぶことは推奨しません。ただし気をつけていただきたいのは、単語帳や文法書を使うべきでないという話では決してなく、むしろその使い方に注意する必要があるということです!


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