サン・セバスティアン滞在記2022(1日目)
そもそも
2022年8月にサン・セバスティアンに滞在した時の様子。1日目。
2日目の様子はサン・セバスティアン滞在記2022(2日目)にて。
サン・セバスティアン(バスク語でドノスティア)は、スペインのバスク州にある人口20万人弱の都市。多種多様なピンチョス(タパス)を味わえる個性的なバルやミシュランの星付きレストランが数多く存在し、美食の街として世界的に知られている。また海と山に囲まれた美しい景観を楽しめるヨーロッパ有数のリゾート地としても知られている。サン・セバスティアンが属するいわゆるバスク地方は、伝統的にバスク語を使用するバスク人が居住する(してきた)ビスケー湾に面する地域を指し、現在はスペインとフランスの両国にまたがっている。
フランスからスペインへ
まずは高速鉄道に乗ってボルドーからフランス領バスク地方にある国境の街アンダイエへ向かう。
車窓から眺めるブドウ畑。電車内で子供たちにめちゃくちゃ絡まれた。可愛かった。
アンダイエに到着した。せっかくなので歩いて国境を渡ってみた。この橋を渡るとスペインに入国できる。当たり前だが特に何事もなかった。
街中の文字がスペイン語(とバスク語)に変わり、スペインに来たことを実感する。ヨーロッパで最も訪れたかった国に無事入国することができた。とはいえ、ここはまだサン・セバスティアンではないので、再び列車に30分ほど乗ってサン・セバスティアンへ向かう。
プラットフォームで列車を待ってると、ホームレスらしき男性が柵を乗り越えてプラットフォームに入ってきた。その時プラットフォームには私一人。男性が「ライター持ってるか?」と聞いてきて「持っていない」と答えると、男性は改札から出て行った。
サン・セバスティアンに到着
サン・セバスティアンに到着した。なんだかんだでボルドーから4時間ほどかかった。
Amara-Donostia駅前の様子。時刻は14時頃。
ラ・コンチャ海岸
ホステルに荷物を置いてさっそく街の散策を開始。まずはサン・セバスティアンで最も大きな海岸であるラ・コンチャ海岸へやってきた。
これだよこれ!絵に描いたようなヨーロッパのバカンス風景!開放感!
ラ・コンチャ湾は右側に見えるモンテ・ウルグルと左側に見えるモンテ・イゲルドという二つの山または丘に挟まれている。モンテ・イゲルドに接しているように見える丘のようなものはサンタ・クララ島。
想像以上に水が綺麗だった。
旧市街
海には後で入ることにして、ひとまずバルが密集する旧市街へ。
海岸から旧市街へ向かう途中にある、サン・セバスティアンが属するギプスコア県の庁舎。滞在中にこの庁舎の前を何度往復したか分からない。
旧市街に到着。海岸から徒歩で10分もかからない。正面に教会が見えてきたので行ってみることに。
サンタ・マリア・デル・コロ聖堂は18世紀に建設されたバロック様式の聖堂。
引き続き旧市街を散策する。とにかくバルだらけ。5秒に1軒はバルに出会う。
全然人がいない通りも。シエスタの時間だったからかも。
バル巡り
というわけで念願のバル巡り開始。時刻は15時頃。朝から何も食べていなかったこともあり爆食い爆飲みしてしまった。ちなみにバスク地方には「チキテオ」というハシゴ酒文化があり、みんなバルで1杯飲んでは次のバルへというのを酔い潰れるまで繰り返す。カウンターで注文して料理や飲み物を受け取って好きな席でいただくのが基本スタイル。席でメニューを見て注文すると運んできてくれるスタイルのお店もたまにあった。お会計はバルを出る際に店員さんに伝えて行う。注文履歴は店員さんがただ記憶するスタイル、店員さんがざっくりメモするスタイル、注文と席番号が紐づいていてちゃんとレシートまで出るスタイルなど、バルによって様々。客の入れ替わりが激しいので、店員さんはめちゃくちゃ大変そうだった。
さっそくOrdiziaにて、ピンチョスとチャコリをいただく。ピンチョスは一切れのパンの上に料理をのせたタパスの一種。チャコリはバスク名物の微発泡の白ワインで、店員さんがものすごい高い位置からグラスに注いでくれる(エスカンシアールという)のが特徴的。ピンチョスもチャコリも美味すぎた。ペロリとたいらげて次のバルへ。
次はGorriti Tabernaにて、ピンチョスとビールをいただく。幸せすぎる。
次はAtari Gastrolekuにて、ピンチョスとチャコリをいただく。バルによってピンチョスのメニューや名物料理が全く異なるので何件ハシゴしても全く飽きない。バルの雰囲気も新進気鋭の洗練されたバルから年季が入ったバルまで様々。
はーーー美味かった。。
モンテ・ウルグル
3軒ハシゴしてお腹いっぱいになったので、旧市街北側にある丘モンテ・ウルグルに登ってみることに。ほろ酔いだったので、登る前にペットボトルの水(€1)を買って、休憩しながら酔いを醒ましながら登った。
弧状に広がる美しいラ・コンチャ海岸を眺めながら登っていく。
登頂。頂上で街を見守るキリスト像。頂上には12世紀ナバラ王国時代にモタ城が建設され、それ以降長らく軍事要塞として活躍した。現在は博物館になっていた。
遠くを眺めると山々に囲まれていることが分かる。
ビスケー湾の方角を眺めると果てしない水平線。
東側を眺めるともう一つの大きな海岸であるズッリオラ海岸の全景が一望できる。
ズッリオラ海岸
というわけでモンテ・ウルグルの頂上から発見したズッリオラ海岸に徒歩でやってきた。旧市街からウルメア川を東に渡ったところにある。
ウルメア川の河口。
ラ・コンチャ海岸に比べてサーファーが多かった。
グロス地区にてバルへ
たくさん歩いてお腹が空いてきたので、ズッリオラ海岸南側のグロス地区にてバル巡りをすることに。時刻は18時半頃。
まずはBergaraにて。個性的なピンチョスがズラリと並ぶ。席で注文すると運んできてくれるスタイルだった。
ピンチョスとチャコリをいただく。
フィデウア(パスタで作るパエリア)。このような小皿料理も非常に充実していた。
サン・セバスティアン大聖堂
お腹いっぱいになったので、旧市街の方へ戻ってちょっと街を散策。
19世紀に建てられたゴシック・リヴァイバル様式の大聖堂。
ラ・コンチャ海岸で海水浴
せっかくなので海に入ることにした。時刻は19時半頃。日没は21時半頃なのでまだまだ明るい。安価なレンタルロッカーがあって超絶便利だった。IC式のロッカーのキーが死ぬほど臭かったが。。後にマラガ、バレンシア、バルセロナなどでも海に入ったが、そもそもビーチにレンタルロッカー自体が見当たらなかった。
海は割と透明度が高くて適温で最高すぎた。
再び旧市街のバルへ
身体を動かしてお腹が空いたので旧市街に戻ってバルで夕食をとることに。
Karrika Tabernaにて爆食い爆飲み再開。
ピンチョスとシドラ(シードル)をいただく。シドラはバスク名物の林檎酒。チャコリと同じく店員さんが高い位置からグラスに注いでくれるのが見た目に楽しい。このエスカンシアールは元々シドラを飲む際に酸味をまろやかにするための作法だという。
トルティージャとチャコリ。トルティージャは中にジャガイモなどの具材を入れたオムレツ。
フォアグラのソテー。美味すぎた。幸せすぎた。
お会計はこんな感じ。料理のクオリティの高さを考えるとかなりお手頃。ヨーロッパはクオリティの高い料理を手軽に食べられる場所と機会がかなり少ないので、サン・セバスティアンのバルは天国以外の何物でもない。
夜の街を散策
食べて飲んで大満足したので、夜の街をブラブラすることに。
21時頃の様子。
22時頃の様子。街灯の曖昧な光が風情を醸す。
旧市街は大勢の人々で賑わう。
22時半頃の様子。空はようやく真っ暗に。
感想
食べて飲んでは丘に登り、食べて飲んでは海に入り、また食べて飲んで。ここは天国か地上の楽園か。